unnamed (41)

数年前、チャットで仲のいい2人と毎晩のように喋ってた。 

1人はA子。
ノリがすごくいい。
笑いのセンスもあってボイスチャットでいっつも爆笑の渦。

もう1人はB子。
おとないしくしっかりした感じの子。 

それから数日後、とある事情でA子の家に1人で泊まりがけで遊びに行くことになった。 

女の家に泊まりがけ。
それだけ聞けば最高だが、俺は全くもって行きたくなかった。 
なぜならA子は重度のメンヘラだったから。
どうしても行かないといけなかった理由は割愛。 

部屋に入ったとたん、その異様な雰囲気にたじろいだ。
部屋にはミッフィーやキティの人形で溢れかえっており真っピンク。 
床は男でもってここまで散らかさないだろうというほど散らかっていて、色んなところにナイフやらメスやら注射器やら訳わからん薬が転がっていた。 

一泊して朝。
起きると布団が血まみれ。
予想に違わずA子の腕からのものだった。 

一刻もはやく逃げ出さないとやばい。 
そう感じた俺は取ってつけたような理由で予定より早く帰った。
(ほんとは二泊する予定だった) 
帰りの電車の中ではずっと混乱しててとにかく早くだれかに聞いてほしかった。 

帰りついてパソコンを立ち上げて、自動で起動するメッセンジャーを見る。 

インしてる友達はB子1人だった。
動揺していたが冷静になり、冗談混じりでB子に事の顛末を伝えた。 

「A子の家言ったらさあ、さんざんだったよw 
適当な嘘ついて逃げるように帰ってきたw」 

B子「うわ~最悪だね」 

「でしょ~。参ったよ」 

B子「うん、ほんと最悪。最低だねアンタ」 

「え?」 

普段アンタとか言わないしとにかく意味が分からなかった。
もしかしてB子もメンヘラーだったのか?やっちゃったな~くらいにしか思わず。 

と、その瞬間A子がインした。
俺がドキッとしたと同時にすかさずウィンドウが開き、 



A子「ふ~ん」 
B子「アンタ」 
A子「逃げるように」 
B子「帰ったんだ」 


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