中学の美術室には夕方になると変な影が現れます。
私が中学の頃の夏。
出展用の作品を仕上げるために部員5人で放課後残って作業していました。
作業といってもやはり女子5人。
楽しくお喋りしながらの作業です。
喉が渇いてきたからコンビニに買出しでも行こうかという時、いきなり友達が廊下側の窓を指差して言いました。
「廊下に誰かいない?」
「え?」
皆で廊下側の窓を見ると、友達の言うように窓に人影が映っていて、そのときは先生か他の生徒だろうと思ったのですが、その廊下にいる人が部室に入ってくる気配がないので仕方なく私が廊下に出ることにしたんです。
「だれ?」
ドアを開けて廊下を覗いたけど…誰もいない。
びっくりして帰ったのか?と思って
「誰もいないよー」
と、中にいる先輩と友達に言うと、一瞬の沈黙の後皆の慌てた声・・・
「そんなことない!…まだ人影映ってるよ!!」
「え!??」
嘘・・・と目を疑いました。
だって自分の今いる廊下には本当に誰もいないのです。
だけど中にいる友達たちは「まだいる!」「動いてる!走ってる!」と叫んでいて…。
その影はいつの間にか消えてしまったけど、翌日先輩に話をしてみたところ、先輩もそのまたOBの先輩たち部員以外の生徒も度々その影を見ていたそうです。
窓に映るのに、でも誰もいない…。
不気味な現象ですがそれ以上なにをするわけもなく、それから何度か体験しましたが何も起こりませんでした。
ただ・・・今もまだその現象が起きていると後輩が教えてくれました。
ついでに・・・
その美術室の古い木製の棚を整理していたとき、棚の奥からゴッソリとした絵の具がベッタリの髪の毛が出てきたことがありました・・・