小学生の頃、友人と「ネコは泳げるのか?」っていう議論になった。
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じゃあ試してみようってことで、そこらの野良猫を捕まえて、友人と二人で近所の川の淵まで行った。
そこは、夏場は子供たちが水着で飛び込むようなジャンピングポイントになっている場所で、水面から5mくらいの高さのところに、誰が置いたかわからない飛び込み台的な木の板が川の上までせり出していた。

ちょうどその日は、前日に台風が来た影響で、今まで見たこともないくらい川は大増水していた。

オレは野良猫を抱いたまま、そろそろとその飛び込み板の上を歩いていった。
もちろん、猫を川に投げて泳げるかどうかを見るために。
オレは「猫も泳げるに決まってる」と思っていたので、罪悪感なんてものは全くなかった。

で、飛び込み板の先端まであと1mくらいになったところで、その猫が突然、「ギャーッ!」とすごい鳴き声を上げて、抱いていたオレの腕の中から飛び出し、オレの肩を踏み台にして背後に逃げていった。
きっと、気づいたんだろうな。自分が何をされようとしているか。

オレは、あまりに突然のことにびっくりしてバランスを失い、増水した川に落ちた。
それから後のことは覚えてないが、目が覚めると病院だった。

友人が近所の大人を呼びに行ったり、警察が出てきたり、大変だったらしい。
ラッキーだったことに特に怪我もなく、二日だけ入院してすぐに退院した。

家に戻っても、親にはしばらく寝てろ言われたので、暇だなあと思いつつ自分の部屋にふとん敷いて寝てた。
そしたらね、窓の外から聞こえてきたのよ。

「ニャー…」って声が。

何度も何度も何度も。カリカリカリって窓を爪で掻く音と共に。
あいつだ、って思った。
すげえ怖くて、ふとんにもぐってごめんなさいごめんなさいと号泣した。

その後も一人になるとどこからともなく、猫の鳴き声がするように…。
こうして書き込んでいる今も窓の外から泣き声と爪を研ぐ音が鳴り止まない…。


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