学生の頃の話。
Horror Cam Pic (4)

院長の脱税だかで閉まって、そのまま放置となっていた廃病院がある。
最近周りにロープが張られたのでとうとう解体が決まったらしいと、慌てて肝試しに行くことにした。

男三人と女二人。
女のうち一人は自称霊感少女。
夏場の午前3時スタート。
周りはまだ暗いが帰りは夜が明ける頃にした。

ドキドキしながら3階建ての建物内を歩いたが、特にこれと言ったことはなく少々拍子抜けだった時、友人の携帯が鳴った。

パッパッパラッパ、ウゥッ!(なんかのジャズ?)
アホみたいに陽気なメール音の、ウッ!の時に合わせるように大きな音がした。
正体は置いておかれていた一斗管がぐしゃっと凹んだ音。
流石にビビったが、霊感少女が震えながら言いだした。

「ここにいる霊はアメリカ人で不慮の病気でここで死んだ人なの。国で好きだった音楽が流れてとても喜んでいる。楽しそうで参加したいみたい。だからもっと楽しませればきっと成仏してくれるよ」

いつもなら笑い飛ばすのだが、確かに缶が凹んだのを見たから皆信じ切ってしまった。
そうだ成仏させてやろう、楽しませれば呪われないよ!と妙なテンションでパッパッパラッパ!ウッ!を大合唱。

そのウッ!の度に一斗缶ほどじゃないけど、何かしら参加してくれてなんだか盛り上がった。
十数回くらい繰り返したところで幽霊の参加が途絶えた。

「幽霊さんがありがとうって言ってる…」
と霊感少女が涙ながらに言って皆でしんみりとしてしまった。

「たまにはこんな人助けも良いなってもう人じゃないか」
軽口を叩きながら出口に向かった時、低いおっさんの声がした。





「うるせえ」





皆で悲鳴を上げて一斉に逃げ出した。


外に出てみると4時半。
夜が明けて明るかった。
建物内を歩いていた時にはまだ懐中電灯を使っていたのに、片側は窓ガラスで外の明かりに気付かないわけない。
更に怖くなって皆無言で帰った。

声はそれ以上追いかけてくることも、誰かが呪われることもなかったが、今になればちょっと理不尽だ。
最初にやりだしたのはお前だろう。
それ以後、霊感少女の言う事は信用しないことにした。


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