高校のとき、全く面識のない女子からいきなり「あなたは私の前世に関わりがある人、仲良くしましょう」と言い寄られた。
Horror Cam Pic (4)

見た目は普通の女子だったので、その不釣り合いな言動にドン引きした。
適当に話を合わせてさいならしようとしたら、「適当に話をしないで!!」と怒られた。
そして、かなり真剣に俺の前世と自分の前世との間柄について話して来た。

要約すると俺は大正の頃、裕福な金持ちの跡取りだった。
彼女はその金持ちと懇意の付き合いがあった名家の娘だった。

婚約していたが、ある日大きな地震があって2家とも壊滅打撃を受け死んだ。
その子はもの心ついたら今の自分で、境遇に面食らいながらも成長したら自分と同じ様に転生しているかもしれない婚約者を捜そうと考えていた。
そしたら同じ学校に間違いなく、記憶の中にある婚約者と同じ容貌をした俺がいたという。

俺はあっけに取られて、言葉も出なかった。
話ながら女の子は「長い長い時間だった。しかし、神様はいるものでまたこうして出会えた。どうか今生でこそ添い遂げて欲しい。」と涙ながらに懇願された。

俺にはそんな記憶がないので、「訳がわからない。どうしたら良いのかわからないよ」と言ったら、その子は「大丈夫、私が知っている限りの事を教えるから」と言った。

こんな突拍子でもない事を他人の俺に言うくらいだからよほど真剣なんだろうと思い、暫くお付き合いをし、様子見してみる事にした。

彼女は付き合いを続けていく中で、俺の前世とやらの話をしてくれた。
前世の俺は人付合いが良く、誰にでも平等で困っている人がいたらすぐに助けるような人だったそうだ。

死ぬ事になった地震の時も、自分も大変な時なのにあらゆる人に対して施しをしたという。
結局、彼女が地震で脆くなり崩れてきた石壁に潰されたのを助けようとして、更に崩れてきた壁に一緒につぶされて死んだらしい。

そこまで聞かされても俺には全く心当たりなし。
凄い話だけど、本当なのか疑問しかでなかった。

裕福な家柄なら何かの記録に残っているのか聞いたら、自分も調べてみたけど震災時のごたごたで消えたのか見つからないという。
まゆつばではあるが、俺の中で実に興味深い話に思えるようになっていた。
そこで半信半疑ではあったが、霊能関係の人にこの事が本当かどうか聞いてみる事にした。

すると、
「彼女の言ってることは間違いはない。彼女に過去の記憶が残ったのは偶然。俺は確かに彼女の言う婚約者の生まれ変わりだが、記憶の代わりに魂の持つ容貌だけ転生したので、過去の記憶が甦る事は無い。」と言われた。

彼女はがっかりはしたものの、記憶にある婚約者の姿に違いはなく、これも何かの運命であり、縁だと納得したようだった。

俺はと言えば、記憶こそ無いものの、こうした出会いもまたアリかなと思うようになっていた。

その後、一緒に大学をでて結婚した。
今は2人の子持ちで幸せにやっている。
以上が俺の不思議体験である。


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