兄の家に泊まったときのこと。 
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その夜はふすまを隔てた隣同士の部屋で私と兄はそれぞれ寝ることになりました。 
 
眠ってからどのくらい経ったころでしょうか。
ふと目を覚ますと、 ふすまとは反対の方向にあるその部屋の入り口の方に何やら気配を感じました。 
 
何だろうと目をそちらへ向けようとしたとたん、金縛り状態となりました。 
そして、何かが近づいてくるのが分かりました。

するとそいつは私の寝ている布団の周りをぐるぐると回り始めたんです。 
異常な重力に押しつぶされそうな感じで、私は苦しくて仕方がありませんでした。
 
しかし、動くこともままなりません。
うめき声を上げるくらいしか出来ませんでした。 
 
と、その時ふすまががらりと開き、兄が飛び出してきました。 
 
「このやろう!何してやがる!」 
その瞬間、金縛りが解けて体が自由になりました。 

部屋の明かりを点け、少し落ち着きを取り戻すことが出来ましたが、なんともいえない異様な空気がまだ漂っていました。

兄の話によると、私のうめき声で目が覚め、何やら異様な気配を感じたのでふすまを少し開けて覗いてみたそうです。

すると、私の布団の周りを山伏の格好をした人がぐるぐると歩き回っていたそうです。
兄は直感的にヤバイと感じ飛び出してきたそうです。
 
あんまり気味が悪かったので、翌日知人が親しくしているという霊能者の人を紹介してもらい相談してみることにしました。
そこで思っても見なかったことを言われたんです。 

その霊能者の話によると、私に呪いをかけているものがいるとのこと。 
兄が見た山伏は、その人に依頼を受けて私に呪いを実際にかけている人だったそうです。 
兄が飛び出してこなかったら、恐らく私は命を奪われていたとのことです。 

しかし、私には全く呪われるなどの心当たりがありません。 
その霊能者の方は、私がかなり危険だということで呪い返しの祈祷をしてくれ、また、本来は極秘とされているという身を守るための呪文を決して他人に教えないという条件で伝授してもらいました。

これで呪いは全て呪った本人(山伏に依頼した人)へ跳ね返って行くとのことでした。 

その後、しばらくは呪文のおかげか何事もなく日々が過ぎて行きました。 
そんな折に、私の会社の同僚が突然、心不全で亡くなったんです。 

全く健康な人だと思ってたので、皆本当に驚きました。 
しかし、私はそれに加えて、どうしようもなく恐ろしくなりました。 

もしかしたら、あの人が私のことを・・・? 

今となっては確かめようがありませんが、どうにもすっきりとしない気分が今も続いています。 


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