俺が子供の頃よくおかんから聞いた話。
二十年前に起こった出来事。
Horror Cam Pic (3)

俺がまだ立って歩けなくて、ハイハイで歩いてたから1、2歳(?)のときらしい。
うちの実家は二階建てで、一階は四部屋あって、二階に一部屋しかなかった。

もともと、うちはおとん(←もう死んじゃった)、おかん、姉ちゃん、俺の四人家族で、当時、俺とねーちゃんはまだ小さかったからほとんど1階の部屋だけで事足りてたそうだ。

だから、階段上がるのめんどくさいし、トイレも水道もないからってことで二階使うことはほとんど無かったんやて。
だから、たまに掃除するくらいで数年間、荷物き状態でだったらしい。

ある日、昼間におかんが二階を掃除に行ったんや。
そん時、俺がまだ幼児さんだったから、一階に置いとくのもなんやちゅうことで二階に連れてったんや。

二階には暗くて湿っぽかったから、久しぶりに、ベランダと窓開けたんやて。
そんで、おもむろに掃除機やら雑巾がけなんかをし始めた。
しばらくに集中して、俺のこと放置してたらしい。

しかし、部屋の隅の方を掃除機かけてたら急にゾっとしたらしい。
で、ぱっと振り返った。

それは俺がハイハイで二階の窓を乗り越えて、今にも外に落っこちるとこだった。
ハイハイで落ちるわけだから、落ちたとき頭が下に向き足が上になる。

100パー俺は死ぬ。
しかも、幼児さんだ。
死ぬ。

おかんはギャーと叫び声を上げて、慌てて窓に駆け寄り、間一髪俺の片足をつかんだ。
俺は何とか助かった。

おかんも窓から半身乗り出し、体まっさかさま宙ぶらりんの俺の足首をぎり片手でつかんでる状態だった。

その状態でもぶたったまげだが、おかんは逆さまの俺を見てさらにぶったまげた。
なんと、逆さまの俺を引っ張って落とそうとする、般若のような形相の女いたからだ。

すごい力で引っ張ってくる。
挙句の果ては、俺の体をよじ登り、おかんの腕をつかんでおかんもろとも引きずり落とそうとする勢いだ。

一瞬の出来事だったが、おかんはすごく長く感じた。
おかんが「あかん、助けてー。」って叫ぼうとしたそのときだ。
「もう大丈夫だよ。」って声が背後から聞こえた。

その声は、俺が生まれたちょうどその年に死んだ父方のじいちゃんだった。
その声が聞こえると、下から俺を引っ張る力が急に弱まり女も苦悶の表情をしながら消えたそうだ。

おかんが安心していると背後からじいちゃんの声でこう聞こえたらしい。





「次は…落とすからな。」



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