昔、友人ととある山に登った時のこと。
バードウォッチング用に持ってきてた双眼鏡で遠くの山々を見てたら
木々の間に、遠くて分かり難いけど赤い何かが目に入った。
その周りには何か色々人工物が散らばってるように見えて
まあ、直感的に赤いジャンパーを着た人が倒れてる…と思った。
相方に双眼鏡をちょっと見てみって貸してやると
「あー…アレ自殺ですかねー…」って言うから、
やっぱりそうかと思って…
まあ、こういう場合一応警察に通報すべきだろうからね、
地図を開いて場所の確認してると、
双眼鏡覗いてた友人が
「…動いてるような…?生きてませんか、あれ。
…あ!ヤバい!」
急に友人が尋常じゃなく狼狽しはじめて、
ヤバいからすぐ降りましょうって事で、
とりあえず急いで下山する事になった。
途中歩きながら「何を見た?」って聞いても
下りてから話しますの一点張り。
結局、市街地のファミレスで一息入れて、
やっと落ち着いて聞いた事は…
双眼鏡を覗いてて、ふと気付いたら赤ジャンパーを着た人が立ってたらしい。
それで、一瞬生きてるのかと思ったが…
よく見ると顔が殆ど白骨化してて、
強烈な悪意をソレから感じたらしい…
山好きだったけど、
それ以来めっきり足が向かなくなってしまった。