ジブリ映画の中でも、
評価が大きく分かれている作品である「崖の上のポニョ」
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子供向け風の作品の割には、
話の内容が分かりにくいかなと、
個人的にも思った作品でもある。
事実、あるサイトのアンケードで、
この作品の評価を見てみた所、面白いように二分していた。

最近だと、

「風立ちぬ」という作品も同じような感じで評価が二分していて、
直接の知り合いで、「素晴らしい作品だ!」という人もいれば、
「全然意味が分からなかった・・・」という人もいる。

ただ、崖の上のポニョは主題歌が流行ったりと、
観客動員数は1200万人を超える爆発的HITになった。

そんな崖の上のポニョだが、
ジブリ作品ではもうお決まりになりつつある、
都市伝説が存在する。

それが、

「物語の後半は全ての登場人物が死んでいる」

というものだ。

これは、僕自身も感じたこと。

これに関しては、
ある程度文脈を共有しないと分かりにくい面もあるので、
少しだけ崖の上のポニョのストーリーに触れよう。

崖の上の一軒家に住んでいる宗介が、
魚の子であるポニョと出会う。

その際、宗介の血を舐めたポニョが、
宗介に思いを寄せるようになる。

そこで、人間になりたいと思うようになったポニョ。

しかし、父である魔法使いのフジモト
(なぜか和風な名前・・・)はそれを許さなかった。

それでもポニョは人間になりたいと願い、
父の元から魔法を盗み出してしまう。

そして、人間になることが出来たポニョだが、
盗み出した魔法のせいで、町全体が津波に襲われてしまう。

ここまでが、一応、話の前半。

問題はここから。

町全体が津波に襲われた後、
作中の世界観が前半と大きく変わっているのだ。

まるで、死後の世界、というよりも
極楽浄土のような雰囲気に包まれていた。

それを後押しするかのような設定が多々あり、
まず、車いすだった老人が全員走り回るようになる。

更には、ポニョの母が登場し、
それを見た町民たちが、「観音様だ!」と口々に言い始める。

津波に襲われたにしては、
町の状況も全く変わっていない。

そういった諸々のことから、津波で襲われた後、
町の人たちは全員亡くなってしまっているのではと言われているのだ。

と、ここまでは見ている側の憶測だが、
実はこの件に関して、宮崎駿監督自身、
ある雑誌のインタビューにこのように答えている。

 

「死は匂うけど、そういうものの中に、同時に、
自分たちがキラキラしたものもあるから。
あんまり生と死って言葉を使いたくないですよね。」

 

僕はこの発言を聞いた時、

生きている、死んでいる、と言った、
現実社会の二元論的な描写を意識しているのではなく、
一段高い次元で、生と死を表現したかったのではと、感じた。

子供向け作品にしては、考えられる作品ですね。




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