幼い頃、私は頻繁に幽霊が見えました
(小さな子はよく見えますよね)
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あれは丹波笹山だったかと思うのですが、
かなり古いうどん屋さんに入った時の事です。

私と向かい合わせに座った父の肩越しに、
奥座敷へ続く暗い廊下がありました。

なんとなく気になって見ていると、
なんとその漆喰の壁から人が出てきて、
そのまま襖を通過して消えていってしまったのです。

その姿は頭から布をすっぽり被ったような姿で、
オバQやらテレサを見慣れていた私は

『こ、こんな典型的な姿の幽霊が存在するのか!?』

と変なポイントで焦った記憶があります。

が、よくよく考えたらその霊が通過したのは父の真後ろ。

咄嗟に

『父が危ない!』

と思い、

「お父さん!」

と声をかけると、

父「あー、いま通ってったね」

ちょ、心配したのに…!w

実は父はちょっとした霊能力者なので、
背中でとっくに気づいていたらしいです。

さて、それから時が経ち、
成人した私は何の気なしに、
この出来事を思い出して話しました。

「お父さん、あの時、
うどん屋さんで頭から布を被った幽霊が出たよね」

すると父は妙な表情でこう言ったのです。

「バカお前…あれは布じゃねぇ。
足まで長く伸びた、白髪だぞ」

・・・き・・・・・・訊かなきゃよかった

     


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