工房の頃の話をひとつ

高校の通学路の途中に、
平屋の廃屋がある
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ある昼下がり、
友人(AとB)と一緒に忍び込んだことがある

しかし、結局窓は板で塞がれていた上に
庭にも大した物はない

さて、帰ろうかと思った時、
庭の端に井戸があるのに気付いた

折角だから写真でも撮ろうぜと
井戸の前で1枚だけ撮って帰った

数日後、写真屋からフィルムが届いた

何とも思わずにその写真を見た俺達は
一瞬鳥肌が立った…というよりもぎょっとした

A、B、俺…全員体の一部分がなくなっている…
というよりきれいさっぱり消えているのだ

Aは頭、Bは右足…
そして俺は何故か自転車の前輪だった

しかし何より一番怖かったのは、
俺の後ろに白い服を着た髪の長い女(まさに貞子)が
俺の肩に手を掛けて立っているんだ

何だこれ…と多少怖かったが
放っておく事にした

翌日、Aが死んだ…

Bに聞いたところによると
廃屋の横を通りかかった時にバックを落とした

それを拾おうとしたときに
真横の電柱から鉄板が落ちてきた

そして見事切断…

切れ味のいい包丁か刀でスパッと斬ったように…

翌日からBは精神病院に通院する事になった

そしてあれから丁度1週間たった時、
今度はBが大怪我をした

廃屋の横で土管を積んだトラックの横転事故があった

偶然通りかかっていたBはその事故に巻き込まれた

トラックが横転した瞬間、
土管がトラックから落下し
Bの方に向かってきたのだという

そしてBの右足が土管の下敷きになり
ぐしゃぐしゃに…

当然切断せざるを得なかった…

数週間後、Bは学校を辞めた

おいおい…俺はどうなるんだよ…
と思った矢先の事だった

あれからはあの廃屋の前の道は通らないようにしていたのだが
何故か道に迷った

この辺りの地形は良く知っているはずなのに…

そしてようやく見覚えのある道にたどり着いた…

あの廃屋の前の道に

何も起こらないでくれよと念じながら通り過ぎた瞬間だった

突然、自転車に乗っていたのだが
前輪が道路側に引っ張られた

態勢を立て直せずにそのまま横転…
俺は自転車から投げ出された

痛いな…

そう思って起き上がった瞬間に、
俺の数センチ前をバスが通り過ぎた

自転車の前輪は哀れ
バスに轢かれてくしゃくしゃになっていた

直後、耳元で女の声が聞こえた…

はっきりと…

「死に損ない…」

数日後、近くのお寺でお払いをしてもらった

帰るときにおしょうさんが言った

「…君、衝いてたよ」

あれからは何も起こっていない…

当然、あの写真はお寺で焼いてもらったよ

     


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